Test Shoot

中判カメラを携えてM沼というところへ出かけた。3年前からカメラバッグに入れっぱなしのポートラNCがあり、機材のチェックを兼ねて何も考えずに4ロールほど撮影した。何も考えないということはつまり、画面の「デザイン」について考えても良いということで、従って「巧い写真」に専心することが出来、撮影中の悩みはない。
適度なシャッター数に、心地よい疲れだけが残る。

そういう試し撮りの場として、ノグチイサムが関与したM沼公園のランドスケープデザインはまずうってつけの場所だった。かつて清掃工場であったその広大な公園には札幌を一望できるほどの高さの人工の丘があり、この都市の隅々を、都市に住まう鳥の目線から、ちょうど良い高さで斜めに見下ろすことが出来るのだった。

去年から取り組んできた大判写真のシリーズはここで区切りを見出せる気がした。それは人工の丘へ登る途上から見下ろす遠くの電波塔であり、清掃工場の煙突なのだが、近いうちにあらためてジナーを持って登ってみたいと思っている。ユートピア的都市の地平を見定める取り組みは、少し高い処から、少しだけ遠くを見渡して終えるべきではないだろうか。

M沼はさておき、もうひとつの取り組みに際し、これから自分が深く立ち入る地域についても改めて想いを巡らせる。昨年から調査を重ねている場所とは言え、撮影に赴く前から自分の「最後的な資質」が問われている気がしてならない。こういう揺らぎも自分の宿命だと今は認めることが出来るが、いずれかの段階で撮れないと感じたら、おそらくそれですべて終わりだ。

お前は何をしにここへ来たのだと、否応なく何者かに問われることになるだろう(警邏ではない何者か、である)。大判と中判の機材を携え、頼りないゴム製のカヤックで、歩いて立ち入ることのできない空港直下の湿地帯に立ち入る。底なしの沼があり、羆の生息域でもある。
[PR]
by akiyoshi0511 | 2008-07-11 16:45 | monologue

北川陽稔のブログ http://www.akiyoshikitagawa.com/


by akiyoshi0511

プロフィールを見る
画像一覧

以前の記事

2016年 04月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 10月
2015年 03月
2015年 01月
2014年 12月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 07月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 01月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 01月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 09月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月

カテゴリ

全体
dialogue
monologue
old text
information
sketch book

検索

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧