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連れ帰って来たニョッキ

ぼくはこれをニョッキと呼んでいる。
ウトナイのカフェに置くために、この春に購入したツピタンサスという種の樹。

今日、カフェの取り組みは最終日を迎え、早々に荷物の一部を引き上げて来た。
最初に車に積み込んだのは、他ならぬその樹だった。

撤収が、この樹から始まったのはなぜか?
たぶん、この取り組みをまだ生かしたい、まだ育てたいという気持ちの現れだと思う。

場所は変わるけれど、ニョッキと向き合う日々は続く。
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by akiyoshi0511 | 2009-10-31 23:53 | monologue

しなやかな喉

相変わらず、昼も夜も週末も関係ない日々が続いている。
金曜の深夜から土曜の午前まで休んだり、時々、陽のある時間帯に2時間休めたりするのが、せめてもの休息。
そんな抜き差しならない日々の合間に、制作途上のドキュメンタリー映画のナレーションについてふと、思いを巡らせてみた。

いまはテロップで埋めているナラティブの流れを、最終的には一人称のナレーションと並行させるか、ナレーション主体のものに変えようと思っている。

ある人物の声、というのはその人の顔の容貌とか、身体の外見よりも遥かに大きな作用を、その人物の外部に対してもたらすことがある。
言うまでもなく声は喉から出るものだけれど、その喉の力みや、しなやかさは、そのまま心(しん)の力みや、しなやかさを反映してもいる。つまり、その人の表層よりも、奥底の状態が強く反映され、尚かつ外部に表出するのが、声なのだ。

ぼく自身、声の表情はよく変わる。緊張に負けたり、油断していると屈もった音になり、ストレスが嵩むと、声が喉元で閊えて出なくなることもある。寧ろ発声を意識し続けていなければ、いずれかの状態になっている。
だからこそ、自然に発せられるしなやかな声に憧れる。

そんなことを考えながら、ぼくは今、「ウトナイ」を語る声に、あるトーンを求めている。森と水のアウラと対話する「その声」を探す旅は、おそらくは今にはじまることではないのだろう。
「ウトナイ」にたどり着くずっと以前から、ぼくはそれを探していたはずだ。

なぜならこの「ウトナイ」とは、ぼくがずっと探して来たモチーフが、余すところなく揃っている場所であり、ここで映画を撮るということは、別の場所を生きながらえながら朧げに抱えて来たビジョンを、はじめて具現化することでもあるのだから。

「森と水の庭」と名付けたこの作品がしかるべき形に辿り着いたとき、ぼくの呼吸や声は、少しは楽になるだろうか。
そんな個人的な思いなどはどうでもよいのだが、それでもふと、この作品を媒介とした自己の救済へと思いが還って来てしまうことがある。

先日、ひとりで沢に入って鮭の産卵床の撮影をしていた。
このいきものの孕むドラマツルギーには、昔から心惹かれるものがある。
生まれた沢の「水の匂い」を嗅ぎ分けて大海から戻り、おそらくは生まれた場所にほど近い処で、その生涯を閉じるこのいきもの…。
北海道を一度離れる前、10代の頃から、ぼくは鮭の遡上や決死の産卵、その屍体を見つめていた。

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by akiyoshi0511 | 2009-10-18 13:52 | monologue

この場所

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新千歳空港から車で5分+徒歩で15分の水源。
この地域では珍しい、滾々と湧き出る泉に出逢う。

ここは真冬にもう一度訪れたいと思います。
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by akiyoshi0511 | 2009-10-14 02:54 | monologue

柔らかく斬り込む仕事

北海道に居を移し、「ウトナイ」で写真を撮り始めたのが今から約2年前。
昨年、60枚からなるシリーズがやっとかたちになり、その後、写真を展示しながら、地域にアトリエを構えて活動を映像制作へと発展させて来ました。

これはドキュエンタリー映画、というくくりになると思うのですが、
取材調のルポルタージュではなく、地域の人々の言葉や営みと実景を交えながらモンタージュ的に地域のありようを描くことで、普遍的な問題意識や、エコロジーへの希望を炙り出そうというアプローチ。

最終的には四季の素材を使って50分ほどの中編になる予定ですが、今は上記のように撮影済みの素材を順次短編作品として編集し、地元ウトナイを含め、各方面で上映活動等をしています。


(画面を2度クリックすると大きなサイズでご覧になれます)

編集が何バージョンも存在するのも、今回の取り組みの特徴です。
そして制作された映像を通して、地域へのはたらきかけを行っています。
10月後半には再び地元苫小牧の施設で、30分ほどの中期バージョンを公開予定。

まさに "Work in progress"。

当初からざっくりと構成を決めてはいましたが、5月にウトナイの森にコミュニティカフェを構えて以来、カフェに訪れる地域の人々との関わりの中で撮影対象も増えて行きました。例えばウトナイ湖の遊漁のシーンや、「美々川」の川下りの素晴らしい映像は、地域の方々との出会いから生まれたものです。
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by akiyoshi0511 | 2009-10-02 10:59 | dialogue

映像作家・写真家 北川陽稔 http://www.akiyoshikitagawa.com/


by Akiyoshi Kitagawa

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