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大晦日

天気が良いので、散歩がてら近所の神社に暮れの挨拶(僕らはそこを猫神社と呼んでいる)。そのまま市内の大型書店に足を伸ばして、今年最後の本を買う。選んだのは北野圭介「映像論序説」と、ゲルハルト・リヒター「写真論/絵画論」。

店を出ると既に日暮れが近づいている。藻岩山の向こうには残照が輝き、白と柔らかい橙色と水色が混ざり合って美しい。目の前の薄暮の青い視界から、遠くに臨む淡い暖色。まるで氷の惑星に住んでいて、そこから光に満ちた遠い星を眺めているかのようだった。

今年もあっという間の一年間だった。何よりもまず、映像上映や写真の展示がこれまでになく多かった。映像に関しては小規模のイベント等も含めれば、通算20回くらいは上映の機会があった。シアターキノ、苫小牧サンガーデン、そして北大クラークシアターなど、自分にとっては重要な場での上映や講演も何度かあった。写真の方でも通算6回の個展・グループ展の他、多くの人が訪れる場で展示や講演を行わせて頂き、撮影ワークショップの機会も何度か頂いた。
それぞれの場を与えてくださった方々には、心から御礼を申し上げたいと思う。

写真の新作の制作も順調に進み、その作品が東川の写真フェスティバルでギャラリー関係者の目に止まり、来春の東京の初個展が決まった。展示プランはほぼ固まったので、1月後半にはいよいよプリント作業に入る。
年始には東京の映画祭のオープニング映像制作が控えている。この仕事ではこれまでのモーショングラフィックのプロセスを一度全て棄て、全く別のやり方でタイムラインの構成を行っている。手探りで学んできた新しい技術を、はじめて作品と言う形に織り上げる。また、そのプロセスを応用して新作の映像パフォーマンスを3月に予定している。

1月中旬から再び学校の授業が動くので、一日の大部分はその仕事に費やされてゆくだろう。一年の気合いを入れる意味でも、歳が明けたらすぐに一本、新しいプログラムを組もう。


Akiyoshi Kitagawa on the web
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by akiyoshi0511 | 2010-12-31 18:43 | monologue

usu-nupri / hemoi-tomari

年内最後のフィルム現像が届いたので、早速スキャンする。今回は10月から11月中旬に撮影したシートフィルム4枚。一回の撮影で作れるネガは物理的に最大二枚。
この非効率性(心身の現在地点と撮影行為の不一致)と、非即時性(生活時間と露光時間の最大限の段差)もまた、欠かす事の出来ない要素なのだ、と思う。
自分の心身の状況と無関係に、レンズは巨視的な時間と向き会っている。撮影者はただただ、視界が暗転するまでの30分を(蚊と戦い、熊の気配に畏れながら)、ただただ待っているだけ。

有珠山のシリーズは、来年度もこのまま撮り続けるか、今の枚数で見切りをつけるか悩むところ。シリーズを構成する上でのパーツは揃っているが、単体のシリーズで考えると、もう少し続けたいなという思いもある。

そして泊村のシリーズは、同じシリーズのこれまでのロケーションと大きく趣が異なる画像に仕上がっている。そもそもシチュエーションが海辺であること。また、周囲が開けていることで、日没〜全闇までの色合いの変化が山間部とは異なり、より青系に傾いたネガに仕上がってくるのだが、理由はどうもそれだけではなさそうだ。

波打ち際の切り立った岩壁を写した写真も、水面の向こうに三機の原子炉を臨む一枚も、画面には独特の静けさと、物々しさが漂っている。被写体それ自体の印象は、これまでの3つのシチュエーション(遺棄された採石場/地蔵の並ぶ里山/活火山の山麓)に比して、曖昧なものが多いはずなのだが、写真としては、なぜか一枚の印象がとても強い。
映っているものが不可解であることが画面に奥行きを与えているのかもしれないし、それ以上の何かが、そこで再現されているのかもしれない。

いずれにしてもこれで、#1〜#4で30枚程度の展示を構成できるまでには至った。

3月22日から目黒のギャラリーコスモスで個展が決まったので、その展示には、このシリーズの#1(前述の採石場)から15枚程度を、全倍くらいの比較的大判のプリントで展示する予定でいる。


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by akiyoshi0511 | 2010-12-25 22:37 | monologue

映像作家・写真家 北川陽稔 http://www.akiyoshikitagawa.com/


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