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memo_3

疲れた体をおして夜の国道を駆け抜け、洞察と厳正さの上にひとり、シャッターを切るべきなのだ。世界と他者と自然と…そのすべてに甘い憧憬と痛みと、深い畏怖を感じながら。言葉と、言葉に類する視覚表現を越える未踏の様式によって、自らという他人それ自体と、遠い無数の他者、即ち人間一般の精神になにかを喚起することを促すために。過去に向かい未来に向かい、表現者はその厳しさの一点に依って立つ。その孤高こそが自らの求めるところだと信じて、決してなし得ないと知りながら『奇跡の一葉』を求め繰り返し視線を世界に立ち向かわせること…。それがせめてもの、同時に至高の真実にあたう、おそらくはたったひとつの、『私』という人称において行うことが可能な営為だ。
by akiyoshi0511 | 2006-06-19 05:15