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近所の自然

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土曜の川歩きで拾ったもの。
今まで自分で見つけたツノの中で、一番整っていて立派な気がする。

この一本のツノを織り上げているアルゴリズムとはなんだろうか。あるいは鹿という生き物の身体を、様々な機関によるアルゴリズムの総体として考えてみたくなる。
例え身体が同じDNAプログラムで成り立っていても、フィールドで課される条件を経て、選択や結果は変わる。ツノがどこで落ちるか、鹿がいつまで生きるかと問うたら、そこには予め定められた値というものがない。

無数の、時間的・空間的ノイズと向き合ううちに、結果はどこまでも多様化していく。水の流れが決して同じ紋様を描かないのと同じように、同じ草を同じように踏む鹿は、この世に一頭としていない。

沢から持ち帰ったツノを眺めながら、内省や信仰とは異なる意識のあり方を考える。
ひとまずそれを、生態の実存、あるいは生態学的実存とでも呼んでみる。

by akiyoshi0511 | 2020-05-22 19:29