2006.1.6

年末からここまでの流れの中では、29日に都内のスタジオで映画の素材をテレシネ(ビデオ化)させていただいたことが大きな進展だった。スーパー16で撮影したフッテージをHDCAM(ハイビジョン)にテレシネし、さらにオフライン&プロモーション用にDVにダウンコンバート。これでやっと次なる作業に入ることができる。このまま本編として路線変更せずに進めるか、プロモとしてまとめるかという迷いも消えた。やはりプレゼン資料だけに止めるのは惜しい、しかし企画そのものの内容において、このフッテージはすでに2年前に書き上げた脚本を元にしているものであり、技術的にも、また外部の状況においても、無効とまでは言わないものの大掛かりな調整が必要になるのは確か。

重力の外でモノをつくっても意味がない。重力に耐えながら沈着にその質を見据え、歴史認識に基づき、問うべきものを然るべきときに社会に問う、という意思に支えられて行動している。言い換えれば、その意識さえ失わなければ手遅れということは常にないとも言える。仮に映画と無関係なところで他者に罵倒されようが揶揄されようが、それは重力のうちにも入らないノイズに過ぎない。制作の妨げにさえならなければ、意に介す必要もない、だろう。
他者を批判するのではなく、人間対人間の(あるいは人類と人類以外の)疎外の仕組みを根底から批判/批評の俎上にあげること…。

読書は引き続きベンヤミンとその関連書、そしてジャン・ボードリヤールを辿りたいと思っている。近代も脱近代も、マルクシズムの有用性もその限界も、構造主義の変遷も自分のアンテナを頼りに実感を伴うところからひとつひとつ切り崩して咀嚼するしかない。その代わり、インデックスに止まらず本当の理解に至るまでそれらと斬り結ぶこと、を毎度課しているつもり。

独善に陥らないことと、かつ、過度の自己否定もしないこと。
現実の社会活動の中で、思想を磨き、紡ぐこと。
歴史への参画(を標榜すること)の代償に個を放棄するのではなく、個をぎりぎりまで削ぎ落としながら表現行為に「限定して」個としての責任意識を堅持し、世界との直接対話の一瞬にすべてを賭ける、という営為の根本に修正は必要ないだろう。生活というのはただただ、そのために切り拓かれていくべきものである、という考え。
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by akiyoshi0511 | 2006-01-06 20:59

映像作家・写真家 北川陽稔 http://www.akiyoshikitagawa.com/


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