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まだまだ

先週撮影した写真が仕上がってきた。10カット分くらい使えそうなものが撮れたが、まだ必要量の半分に過ぎない。理や認識を越えた、土地や魂の力を感じる写真が少ない。撮影場所や時間は正しくとも技量が追いついていない場合もあるようだ。
秋が深まるまでの僅かな日数で、納得のゆくものを揃えられるか…。

数年前に雑誌でティルマンスが特集されていた記事で、どんな時にシャッターを切るのかという質問に対して「心の妖精に従う」という回答がなされていたのをふと思い出した。「要請」の誤植じゃないかとそのときは考えたけれど、もしかしたらあれはそのままの意味だったのかもしれない。神でも認識でもなく妖精というソフトな仮説はティルマンスらしいとも言える。
by akiyoshi0511 | 2007-09-30 13:27 | monologue

天気待ち

前線が去り、すばらしい秋晴れ。5時に起きて空を見上げ、居ても立ってもいられなくなって撮影に出かけた。
朝食前に某街道の並木を撮影し、自宅でひと山200円のトマトを食べてコーヒーを飲み、もう一度家を出た。
はじめは北、次は西。

街の西の果てにある1000メートルの山の頂上は、ぜひとも「最初の20カット」に加えたかった。テレビやラジオ放送のアンテナが林立するこの山頂は、この地域所縁のメディアが一斉に「声」を発する場だからだ。善かれ悪しかれこれらの「声」の下で、人々は生きている。
ベンダースの「まわり道」をふと思い出した軽い登山だったが、そもそもこのアンテナのイメージ自体、「ベルリン天使の詩」なくしては確信を持ちえなかったことだろう。

今日一日の撮影でまったく成果がなかったら、これから徐々に追いつめられていくのかも知れない。そんなことを考えながら、市内数カ所でカットを重ねた。

衝撃は徐々に薄れてゆく。街並みにも、空気にも慣れてしまう時は来る。
それは当然のことであるが、今の取り組みはその時期が来る前に終わらせたい。
この街が「未知なる場所」であるうちに、その有り様(ありよう)を一息に受け止め、最初の認識が去らぬうちにフィルムに焼き付けたい…と思う。
by akiyoshi0511 | 2007-09-22 19:51 | monologue

東京雑感

羽田空港のポーチに降りてから、五反田にあるスタジオまで、視線を向けた先に映るのは悉く痛ましい光景。自然を欠いていることではなく、無駄なものしかないことがこの上ない虚しさとしてこの目に映るのだった。

夜毎首都の周縁で酩酊し、古女房のような友人の家に世話になり、飽きるほど通った喫茶店に相変わらず入り浸った数日間。風邪に魘され、蜥蜴の顔をした醜い男女のとばっちりを受けたりしながら、それでもこれらは新天地で自分を見失わぬためにはほどよい「毒」なのだと思うことにした。

そして今日。透明な水、冷やかな初秋の風、水面を舞う鱒…。
昨夜まで目にしていた光景は一体なんだったのか、そして今日眼前にある光景はどこの惑星のものか。僕はソラリスにいるのか?

しかし耳を劈く不快な轟音にふと空を見上げれば、F15が編隊を組んで飛び去ってゆく。
ここはまぎれもない、日本の地方都市だ。
by akiyoshi0511 | 2007-09-20 08:31 | monologue