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2ヶ月半振り上京

昨夜からやっと、ズルズルと延期されていた上京。

滞在中に、アースビジョンの撮影と、ずっと協力関係を築いてきたユニットのデビューが決まったので、その撮影を予定している。他に、打合せが数件。
いつもの滞在なら、スケジュールの許す限り友達と飲み歩くところだが、今回それも控えめ。4月からの仕事や、その機材準備などに時間を割く。

どうやら春から、北海道の2つの「庭」をシーズンを通して写真と映像で撮影することになりそうだ。

約2年間、見つめてきた原野や水の風景に、今年はまた別の角度から関わることができる。
作品でこの地域と向き合ってきたことが今の状況を切り拓いた、ということも、何よりも嬉しい。

この上なく、やり甲斐のある仕事が実現する。
by akiyoshi0511 | 2009-02-27 09:40 | monologue

永遠の仕事

札幌でのグループ展は、無事終了。
会期中はその内外で、矢継ぎ早に様々な出来事があった。

一段落付き、冷静に思えばまだまだ何一つ実現の段階ではなく、ここから先が本当の試練だと、思いを新たにする。
しかし、少なくとも大きな舞台がここにあり、信に能う演者たちがおり、それは自分を含めた全員にとって、人生の真剣勝負の場なのだと思うと、ひとつひとつのやりとりが、本当に愛おしく思える。

そして、期せずしてその中に、ひときわ音韻が美しく、また完成までに時間を要するセッションが含まれている。
永遠に続くひとつの仕事が待ち構えていることを、今、微かに予感している。
by akiyoshi0511 | 2009-02-22 02:06 | monologue

昨日11時に、札幌市内の写真事務所を訪問した。気付けば2時間半、久しぶりに写真話をたくさんさせていただき、多くの知識や有益な情報をいただいた。他ならぬ北海道で写真を撮ることに、常に付きまとう背景について、もっと考えねばならないと思う。そして考えると、今後のことが、さらに楽しみになる。
2時間半もお話しして、「まだ何も話していない気がするよ」という先達の言葉に恐れ入りつつ、近日中にまたお会いする約束をいただいて退出。充実の時間。

昼過ぎ、Sさんに会場の使用許可を得てから、Hさんに電話して5月のライブスケジュールの打合せ。マネージャーさんとも電話。5月が楽しみだ。
どんな場が出来上がるだろうか?どんな場を作り上げることができるだろう??

夕方、作品を出展しているグループ展の会場に顔を出して、主催者のYさんと長話。これまでの作品を見せていただいて、またひとつ、朧げに見えたものがある。Yさんのための場、あるいはYさんとのコラボレーションの場を具現化するために、きっと近い将来動くことになるに違いない。
例えばTがいう「大地(の恵み)への感謝」と、作家・写真家の内なる衝動が、共鳴するポイントでなにかを起案できないだろうか?
クオリティの問題以前に、今はまずこの方向性・指向性が重要なのだと思う。

夜までに2度も作品を論じる時間があり、充実していた。
しかし、それだけで一日は終わらなかった。
深海から浮上して力強く水面を割るように、しかも、ごく自然に、なにかに導かれるように僥倖と至福の時が訪れて…今度ばかりは本当に、時間(とき)の結び目を解きほぐしたと言えそうだ。

トンコリ奏者は挑発していた「喰らい付いて来い!」と。
その言葉には、言葉以上の意味が、間違いなく含まれている。彼の言霊は今でも、僕の中で静かに発火している。
おそらく、時代や、写真や、自己自身の限界にまだまだ喰らい付いて行かねばならないのだ。しかも、怨嗟ではなく、愛を込めて喰らい付くこと…。
by akiyoshi0511 | 2009-02-19 11:11 | monologue

土曜から火曜

<土曜日>

或る場所でイニシエーションのような一夜を過ごす。
波間を漂いながら一度自分のすべてが心身から抜け落ちて、意識が戻ると20時間くらい経っており、生まれ変わったような感覚を久しぶりに味わった。
朝食と、生きることが、こんなにも密接に感じられたのも久しぶりだった。


<日曜日>

夕方から写真展搬入。セットアップが比較的大仰なので、せっせと手を動かし、椅子によじ上って展示作業をしていた。
終わって気付けば10時。同じく参加者のYさんと食事して家まで送って、徹夜明けだったので泥のように眠る。
…と思ったら、やはり2時間半で覚醒。その後は朝まで眠れずに過ごす。


<月曜日>

昼間、道内の環境活動をサポートする団体の事務局にお邪魔して、自分の企画を説明させていただいた。団体の活動内容も伺い、やりとりの中で、自分の活動するエリアの先には、勇払だけでなく、同じく樽前山の水の恩恵下にある白老があることにふと気付かされた。

白老には、2年前の夏に赴き、奇妙な友人と、奇妙な時間を過ごした想い出がある。その日、街は霧に覆われたように灰色の柔らかな光に満たされ、草木の緑は、街の空間に溶け出してしまいそうなほどぼんやりとして、言いようのない心地よさを感じた。其処では明らかに日本的ではないなにかが、空気や空間を司っている。そしてそれこそが、北海道のネイティブの気配なのではないかと感じながら、出会うはずのない場所で、出会うはずのない女性と対話をしていた。

夜、やはりものごとは繋がっているのではないかと感じる。写真展のオープニングパーティでアイヌのトンコリの演奏に遭遇し、目を閉じて音に意識を手向けていると、風にそよぐ葦や低木の生い茂る原野のイメージが広がり、自意識がふと消え失せて心地よい音の波間を漂う感覚を味わうことができた。演奏の後に「いつかステージを用意してご連絡します」と伝えたところ、「きっまた会うことになるだろうね」という嬉しい言葉をいただく。
民族を掲げて戦うことを力強く表明していても、彼の言葉や振る舞いは非常にしなやかだ。生来戦いを課されていない僕らが恣意的に戦う言葉を選ぶと、必ずその言説は矛盾を孕み、強張ってしまう。だから僕は戦わずして人の心を動かす方法を、数年に渡り探している。


<火曜日>

ここ数日世間を湧かせている、村上春樹のイスラエルでのスピーチには感動を覚えた。「世界の終わり」に著された空間認識や意志の在り方を、彼は今でも確かな軸足として活動しているのだろう。弱さのための小説ではなく、弱き者が内なる強さを獲得するために書いているとしたら、彼の近作への違和感は棄ててもいいと思えるようになってきた。
しかし彼のイスラエル訪問に関してのニュース放送は、訪問に異を唱える意見を押し切って彼がイスラエルに赴いたことばかりが強調されていた。これは彼の唱えた本質を見事に裏切っており、あらためてメディアに失望せざるをえなかった。朝のテレビニュースの忙しない時間軸というのは、インターネットが普及した今、本当にもう不要なものだという気がしてくる。

夕方、アートイベントをともに運営するTさんからFAXが届いていた。企画を捉える気持ちの深さ、そして熱さと力強さ。すべてに心が打たれ、その日自分にトラブルが起きていたこともあって、胸に込み上げるものがあった。続いて在京メンバーからも電話。東京にもあらたな熱源が生まれつつあり、これらの熱をしっかりと受け止めて今後の活動に繋げたいという想いを新たにする。

あらたな活動のため、この2年間の業務を支えてきたデジタル機材を手放した。数百もの仕事や作品撮影の日々をこのキャノンとともに過ごしており、さすがに名残惜しかったけれど、いずれにしても近々に入れ替える予定の機材でもあった。お世話になっている中古カメラ屋のY氏は、いつもこちらの事情は全部分かっているという態度で相談に応じてくれる。東京の自主映画時代には百合が丘にそういうカメラ屋があった。ものづくりの父のような存在が、確かにここにもいると思った。
by akiyoshi0511 | 2009-02-17 20:47 | monologue

16日からの展示の準備

札幌の「ギャラリーたぴお」で開催されるグループ展に、急遽参加させていただくことになり、その展示の準備をしている。

いろいろ考えた末に、今回出すことにしたのは「mayoiga」という少し前のシリーズ。撮影は2005年と2006年の秋で、30枚のプリントが完結したのはたしか、昨年の1月だった。

これにニュープリントを加え、40枚までプリントを起こし、そこから絞り込んで、最終的に32枚。A3ノビで32枚だから、割り当てられたスペースはほぼ、写真で埋め尽くされることになる。

今回は、これまでブックで採用してきた構成を大部分解体し、2メートル×3メートルのスペースを一枚のキャンバスに見立て、全体を俯瞰したときの色彩や、個々のモチーフの重みにもとづくあらたな配置で展示することに。そこで、豆本サイズのミニプリントを作り、白紙を壁に見立てて厳密に展示設計をしている。

縦構図2枚のモンタージュ効果を構成の軸にしていた当時の自分の作品に、こうしてまったく異なるアプローチをするのは、非常に楽しい。
過去のがんじがめらの自分と、時を隔てて自由に対話する、そんな気分。

まるで、小串鉱山の訪問の時間軸や、当時の印象の断片を、一枚のアラベスクに織り上げるような作業。未完成の曼荼羅と向き合っているような感じもする。
イコン的な中心物を置かず、相互のしなやかな関係性から確立する一枚の世界は、引き続き目指して行かねばならない世界感…でもある。

個々の写真同士の引力と、ステージ全体の重力や交錯するベクトルを同時に感じながら、配置を組み立てては壊し、「ストンと腑に落ちる」ポイントを固める。
そうして、一部、あるいは全体を、繰り返し調整して行く…。


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※展示詳細はこちら
http://d.hatena.ne.jp/Visual-Activities/
by akiyoshi0511 | 2009-02-12 18:52 | dialogue

昨年からの活動が実を結び、今春から北海道のとあるエコロジー施設の敷地内に、アトリエスペースをお借りし、そこを拠点に様々なアートイベントを提案するプロジェクトに取り組むことになった。

今日は早速、造形作家のH氏とともに現地を視察。
この先に訪れる素晴らしい一年を予感するかのような、青空と暖かな陽射しの中、森を歩き、4月のスタートを前に、雪の中にひっそりと佇むアトリエの佇まいを目に焼き付ける。

アトリエ小屋は落葉松を中心とした雑木林の中にある。落葉松は僕の好きな木だが、ここに、これほどまでに立派な落葉松の巨木があるとは今まで気付いておらず、更に喜びが増す。

何よりも、他ならぬこの森で活動できるということ。
僕(たち)にとって、これ以上の喜びがあるだろうか?
この森で実現したいことが、頭の中にも、僕らのネットワークの中にも、抑えきれないほど満ちている。

今日、自分がもっとも信頼している表現者の一人であるH氏の眼差しから、その胎動が確かに始まったのを感じた。少なくとも、既にひとつのプロジェクトは動き出したのだと…。

「大切なのは、場所のためにあること」

信に能う先達のこの一言は、彼らしく、また何よりも的確だった。
関係者の中で彼が最初にここに現れたことも、おそらくなにかの導きによるのだろう。

アートプロジェクトやライブイベント、そしてVisual Activitiesの写真・映像のプロジェクトなど、ここで思い描いているプランに関してはすべてこの空間の成り立ちありきで、その質自体にはまったく不安はない。もちろん、採算面など考えねばならないことは山ほどあるけれど、根本的な次元でフォーカスを間違わなければ、必ず突破口は開けるはず…。
そして、根幹をしっかりと打ち立てれば、ブレを楽しむ時節も訪れるに違いない。

想いも新たに、夜も関連メンバーとミーティング。情報の共有がこんなにも前向きなのは、久しぶりだ。そして前向きだからこそ、慎重に内容を伝え、共有し、意見を乞う。
彼女との10年来の付き合いにも確かに意味があるのだと、最近とみに感じる。
そして彼女自身の方でも意味を感じてくれていることが、とても嬉しいと思う。

続けて深夜、東京の音楽家からの電話。
信頼できるレーベルからのデビューが決まっており、今年はツアーを組むだろう。ライブパフォーマンスを通して彼らとシンクロさせてきた呼吸も、きっとあらたな飛躍を迎える。

今年は同胞たちも僕自身も時を同じくして、可能性に満ちた岐路に立っている。
おそらくこれも、偶然ではないと思う。
全的なる視野に立てば、僕たちの根はひとつなのかもしれない。
by akiyoshi0511 | 2009-02-11 00:04 | monologue

土曜の昼間、市内のW文学館というところで、Oさんのマリンバリサイタルを聴く。
しなやかに発動する四肢と、それに見事に呼応する音響。
マリンバというのはこんなにもフィジカルな楽器だったのだな、と、所見の素人ながら感動。
Oさんの撮影とライブを、北海道の、他ならぬあの場所で実現したいという想いを新たにする。

演奏会には15名位のマリンバ奏者が参加しており、他の方々の演奏にも心を動かされた。そして彼らにひけをとらないほどに、ピアノを担当されていたK氏の演奏がとても鮮烈だった。あまりにも完璧な音の響きに引き寄せられるように手元を見ると、その動きも完璧に美しかった。

終演後、急ぎ足で一度家に戻り、一緒にリサイタルを鑑賞した友人とともに旭川に大移動。
途中、ライブで映像を担当させてもらっている東京の音楽ユニットの主催者から電話、高速をひた走る前傾姿勢のままに、前向きな状況を相互確認。

旭川に急遽赴いた理由は、これも今後関わらせていただくことになる大事なプロジェクトを拝見するため。冬祭りで展開されている氷の造形を、この目でしかと見させていただく。
本当は準備段階からお手伝いしたかったけれど、自分自身の取り組みが忙しく、完成形のみを目にすることに。実際目にしたことで、すぐにでも作者のHさんと話がしたくなり、迷惑を顧みず明日恵庭のアトリエを訪ねることにした。

その冬祭り会場から立ち去るとき、河畔の闇にそびえる見事な巨木に心を奪われた。
こんなところで、こんなパワフルな木に出会えるとは…。
葉の生い茂る夏、必ずもう一度来ようと思った。

帰りは下道で、ブレストというか、アイデア出しをしながら約四時間。
不吉な猛吹雪も不吉に見えないほど、あっという間のドライブだった。
by akiyoshi0511 | 2009-02-08 01:20 | monologue